中高年が失敗しない「前向きな転職」とは
“転職をするなら、前向きな転職をしましょう”とはよく言われることです。「現在の状況を変えたい」と思うからこその転職ですが、「前向きな転職」があると同時に「後ろ向きな転職」もあるのが現実。さて、どのような違いがあるのでしょうか。
「前向きな転職」とは、スキルアップをしたい、やりたい事があるが現在の会社では実現できない、新たに挑戦したい仕事が見つかったなど“自分のやりたいことを叶えるための転職”だといえます。一方で「後ろ向きな転職」とは、上司と合わない、給与が低い、仕事内容がつまらないなど、“現状に対する不満が大きな理由である転職”と定義できそうです。
「後ろ向きな転職」の問題点は、不満解消型の転職になりやすいこと。不満な部分の解決に気を取られ、視野が狭くなりがちです。そんな転職は、後に後悔する確率が高くなります。
実際、わたしはそれで失敗しました。上司と合わない、という理由で藁をも掴む思いで転職した先は、社長と社員の意思疎通があまりできていない会社でした。仕事の方針が急に変更になったりと、普通に業務ができないひどい状況の会社だったのです。
思えば「上司を変えたい」という一心で転職。転職先の会社を冷静な目で確認できていなかったと思います。中高年ともなれば、そう簡単に次の転職はできません。後ろ向きな理由で転職を考え始めたときにこそ、自分が転職先に求めているものは何か、どのように、どういった仕事がしたいのかをよく考えて、転職先を選びたいものです。
転職に際し、もし自分が「冷静ではないかもしれない」と感じた時には、人材紹介や転職支援のコンサルタントとお話することをおすすめします。早まった転職を防ぐと同時に、「後ろ向き」の陰にある「前向きな理由」に気づくことができるかもしれませんよ。
(ライター カトウヒロコ)