「不満解消型転職」を迷っている方に伝えたい一つの事例
「転職の理由は前向きな方がいい」とわかっていても、ポジティブな転職理由など思いもつかない状況におかれてしまうことがあります。
実際、私は毎日、怒鳴られ、理不尽な要求をつきつけられ、質問してもまともな回答を得られない、という状況の会社にいたことがあります。
次第に、「いつ怒られるのだろう」という緊張と不安の中で過ごす毎日を送るようになっていました。
そんな状態を友人に愚痴るのが、その時の私のストレス解消法だったのですが、話した友人全員から、「そんな会社は辞めた方がいい」と言われました。
そう言われても「自分のスキルがないから怒られてしまうんだ」「その会社にもいいところがあるんだ」「こんなマイナスな気持ちで転職なぞしてはいけない」と思っている自分がおり、なぜか転職を渋っていました。
そう思っていた大きな理由のひとつ。「不満解消型転職をしてはいけない」という考えに、縛られていたからのように思います。
その後、夫の仕事の都合で、その会社に勤め続けることができなくなり辞めることになりました。そして次に入った企業は、長く苦しんだ私にとって、天国のような場所でした。
私自身、自分ではストレス耐性がある方だと思っていました。過重労働で自殺した女性会社員の方のニュースを聞いても、私はもっと残業していた、もうちょっと我慢できたのでは?と考えてしまうような人間でした。
けれど身体は自分が思うよりずっと正直でした。食欲がなくなり婦人科系の病気にもなりました。今思えば、ストレスで身体が悲鳴をあげていたのです。
常軌を逸した過酷な状況にあっては、転職は「前向きな選択」です。世の中には、本当にたくさんの会社があります。人生まで辛くなってしまっているのなら、ぜひ転職を考えてみてください。
(ライター カトウヒロコ)