複業・副業で経験値をプラス！キャリアは掛け算で価値が高まる

人手不足感が強まる中、企業による優秀な人材の採用活動が活発化しています。自治体や大手企業がベンチャーを支援するAP(アクセラレータープログラム)も盛んになっていて、特に各種ベンチャー企業の採用意欲は、今まさに絶頂期と言っても過言ではないでしょう。

急速に成長し変化する多くの新興企業が、真に欲する、価値ある人材とはどのような人なのでしょうか…答えはズバリ、「掛け算」のキャリアを持つ人達なのです！

複合することで価値が高まるキャリア

業種やポジションを問わず、今強く求められている人材とは、一つの領域へと従事し続けたいわゆる「専門家」よりも、複数のキャリアを持ちそれらで得た知識や経験を「掛け合わせて」運用できる人達です。

人事部の採用担当者であれば、人事一筋でやってきた人よりも、営業で対人折衝力を培ってきた人や、広告業でブランドイメージの構築を経験したことがある人材が重宝されます。

つまり、一企業の一部門に勤め続けて来た人よりも、さまざまな企業で多くの現場を経験している方が人材としての価値が高くなるということになります。

またベンチャー企業に置いては、ベンチャーで仕事をした経験もプラスの要素のひとつです。大企業でしか働いたことのない人は、ベンチャー企業の仕事の仕方や風土にカルチャーショックを受けてしまうことがあります。ベンチャー勤務経験は、特有の混沌とした現場や修羅場に耐性があると期待され、不安なく雇うことができるのです。

需要が増えているポジションとは

では、具体的にどのようなポジションや役割への需要が高まっているか、求められているスキルや経験などを紹介していきましょう。

・COO、事業部長
従来、CEO(最高経営責任者)がCOO(最高執行責任者)や事業部門長を兼ねるような指揮系統が主流でした。近年成功している企業には、別のパターンが目立つようになってきています。CEOが現場指揮には関わらず、未来を見定めた戦略の策定や、全体の統括という役割に集中するというスタイルです。

CEOの役割が変わったことにより、求められているのは新たに従来の役目をこなす人。CEOと同等の熱心さと視野の広さを持って現場を指揮してくれるCOOなのです。

具体的に求められているのが、「戦略を立て、実行に移せる力」。戦略と現場感覚、双方を持ち合わせたCOO、営業、マーケティング、事業企画部長などが引く手あまたの状態になっています。

・時代に合わせた手法を取り入れるマーケティング、事業開発
テレビCMや雑誌広告がメインの広告媒体だった時代は終わり、今の主流は動画サイトやSNSを通じた宣伝です。

テクノロジーの進化や時代の変遷に伴い、自社の商品の特徴、ターゲット層を明確に捉え、適切な手法や媒体を用いることが重要です。時代に合わせたツールを使いこなした発信ができる人材に、大きな期待が寄せられています。

・「戦略人事」ができる採用担当
ただ単に人材を選別するのではなく、経営戦略に合わせた採用ができる「戦略人事」を行える人材が求められています。

人手不足で採用競争が激化する中、従来の手法では人材を集めるのが難しくなっています。近年注目されている自社社員の紹介による採用など、新たな手法を取り入れたり、ツールを導入することで課題を解決できる採用担当者は非常にニーズが高くなっています。

・社外取締役、社外監査役
国のコーポレートガバナンス改革によって監視が厳しくなったことにより、社外における取締役、監査役の需要が高まりました。場合によっては一企業の社員や社長が他社に社外取締役として迎えられるケースも増えており、女性の取締役を外部から採用したいという声もあるようです。

副業や複業を認める企業も増えてきており、パラレルでキャリアを積むことが難しくなくなってきています。いきなり転職ではなく、副業でベンチャーの経営に参加する経験を積んでみては如何でしょうか。

勤務する企業で報酬を得るような副業が禁止されていても、NPOでの活動や、地域のコミュニティなど、会社の枠の外で経験を積む手段もいろいろあります。皆さんも是非、自分の専門以外の領域で経験を積み、「掛け算のキャリア」で自身の価値を高めてみては如何です？