立つ鳥跡を濁さず?転職に欠かせない業務引継ぎを鮮やかに!
退職の手続きの中でも、最も重要な仕事のひとつが業務の引継ぎ、残務の整理です。これがおろそかだと会社や後任者に迷惑がかかるだけでなく、退職後も電話での問い合わせに追われたり、場合によっては呼び出されて処理に当たるように求められることにもなりかねません。
退職後に困った事態にならないためにも、業務引継ぎに関する大切なポイントを押さえておきましょう。
■引継ぎのスケジュールを組み立てる
まずは引継ぎの作業スケジュールを組み立てます。片付けなければならない仕事が完了にするのにどれぐらいかかるのか、資料、備品の整理にはどれぐらいかかるのか、取引先への挨拶周り、上司への報告をいつまでに完遂するか…時間の配分も考えつつ日程を決めていきましょう。
重要なのは、スケジュールに3日ほどのゆとりを持たせて組むことです。3日あれば突発的なトラブルで計画が狂っても、再調整が可能だからです。また、実際の引継ぎは退職の承認がおりてから行いますが、書類や備品の整理などは前倒しで行うことができます。転職を決意した時点から少しずつ計画的に準備をしておけば、スムーズな業務引継ぎが行えるのではないでしょうか。
■業務に必要なデータを文書化する
後任者への伝達ミスを防ぐには、口頭で伝えるだけでなく必要事項をしっかりと文書にまとめることが重要です。そうすれば退職後の問い合わせの確率が低くなります。後任者にとっても、先任者が残した文書がマニュアルとして大いに役に立つことでしょう。
また、技術職の場合は業務のマニュアルに加えてそれまで取り扱ってきた製品や機材に関する資料をしっかりと引き渡すことも重要になります。図面や設計書、仕様に関する書類などさまざまな文書を「保管書類一覧表」という形でリストアップし、後任者にわかるようにしておきましょう。
■少なくとも一週間は後任者と仕事をする
完璧なマニュアルを作成したと思っていても、実際の業務をすべてカバーできるわけではありません。少なくとも一週間は後任者と共に仕事ができるよう、上司に掛け合いたいものです。特にソフトウェアや製品開発などの技術職では設計者個人の価値観や物の見方などが関わっているため、引継ぎがより困難とされています。ぜひ、先任者と後任者のマンツーマンで仕事を引き継ぐ一定の時間を確保しましょう。
多くの場合、後任者は現在の仕事に付け加えて業務を引き継ぎます。後任者のスケジュール、時間的な都合をしっかりと把握した上で、余裕を持った計画を立てる必要があります。丸々一週間が難しい場合は、前もって業務を共有するなどの工夫をしてください。
■トラブルは解決してから!
業務引継ぎの際には、課題や問題点があればしっかりと解決しておきましょう。業務と共にトラブルまで引継がれては後任者も困ってしまいます。取引先への挨拶周りは後任者と共にきちんと行い、上司への報告は具体的に。上司にも、引継ぎのために作成した文書のコピーを渡しておくのも効果的です。
立つ鳥跡を濁さず。きちんと完遂したはずの引継ぎにも、何かしら抜け落ちている場合が往々にしてあります。万が一のトラブルに対応できるよう、個人的な連絡先を後任者や上司に伝えておけばなお完璧です。気持ちよく新しい職場に送り出してもらえるよう、業務の引継ぎがつつがなく完了することを願っています!