企業が欲しがるミドル人材、3つのポイント
企業が中途採用を行う場合、「経験者募集」とうたいながらも、実際には年齢上限などが設けられていたり、20代後半から30代前半の人材をイメージしている場合が多くあります。
そんな中、40歳以上のミドル世代であるにも関わらず、選考において企業に高く評価を受け、若手の候補に競り勝ち、オファーが集まる人がいます。このような人達に共通する特徴とは何なのでしょうか?今回は3つのポイントにスポットを当てて解説していきたいと思います。
柔軟な思考で臨機応変な対応
転職を希望する人の中には、希望する会社の条件、仕事内容やポジション、年収などの要素を一切妥協しようとせず、少しでも条件の違いがあれば受け入れないという方針の人が時折見受けられます。
希望の条件にはそれなりの理由があるのでしょうが、うまくいくとしたら買い手側に需要あってこそです。売り手がかたくなになってしまうと、中々コトが上手く運びません。
それに比べ、思考が柔軟な人は己の譲れないピンポイントの条件がハッキリとしていて、同時に妥協するポイントや代替案の提案などをすることができます。さまざまな要素について臨機応変に対応しながら、話を前向きな方向へと持って行けるのです。
転職に対して明確な動機があり、「何を勝ち取りたいか」が明らかなため、押さえたい部分をしっかりと押さえたら、その他の部分には余裕がある状態を保てるのかもしれません。
こういうタイプの人物は入社後のトラブルも起きにくいそうです。入社直後から「こうでなければならない」というこだわりが少なく、「入社後から数年の間に自分がどう貢献できるか、それによってどう条件が変わるか」という長い目線を持っているので、転職先の会社に適応しやすいのでしょう。
■豊かな想像力
年齢を問わず企業に人気のある人の共通ポイント。その2は想像力の豊かさです。具体的に言うと、相手の立場に立って思考する力。例えば「採用する側から見たリスク」を想像できる人を指します。
求人票から読み取れる「企業が本音で欲している人材の条件」、「求められる人物像」、「競争相手としてどういう応募者が集まっており、その中で自分をどう差別化するか」、「採用者から見たら自分を雇う際にどんなリスクを考慮するか」…。いろいろな要素を考慮したうえで、どう応募書類を作るか、面接でどのような自己PRを行うかといった作戦を綿密に立てられる人がいます。
このような思考を持つ人は、与えられた手がかりから状況を見極め、自分のできるベストな行動を取捨選択していく能力を持っていると言えるでしょう。論理的な思考をしっかり持ち合わせていることにより、転職に対する案件ごとの「期待値」も明確になるため、過度な期待や卑屈な思考にも陥りにくく、精神的にも盤石の状態で転職活動を継続できる可能性が高いです。
■実直な人柄
ミドル層ともなると、過去数回の転職を既に経験し、慣れからかエージェントとのつきあい方が雑になってしまう人がいます。事実、複数の転職エージェントに希望条件だけを伝えて登録し、希望に近い案件を待つだけ、というやり方をする人もいます。
しかし、転職エージェントも「人の子」。想像力の豊かさとも関わりますが、いかに「この人の役に立ちたい」と思ってもらうか、という部分から勝負は始まっていると言えるでしょう。
エージェントとの実直な付き合いを心がけておくことは、距離を縮めるためにとても大切なことです。転職希望者に対してエージェントが親近感を抱く、つまりファンになってもらえれば、当然より良い結果を出そうと頑張ってくれるはずです。人対人のきちんとした付き合いをする。そう言った基本的な心がけを大切にする態度が、良い案件紹介につながることがあるのです。
転職活動はエージェントや採用側も含め「ナマモノ」であるという意識が大切です。人を相手にする以上、相手から見た自分を想像したり、配慮する気持ちが大切なのは必然です。
つまり、中途採用市場で企業に好かれる人材というのは、年齢が高くても「人としての魅力」に富んだ人物だといえるでしょう。転職をお考えのミドルの皆さん、これを機に自分の心構えを振り返り、ご自身の持つパーソナルな魅力をさらに磨いていってください。