転職成功の秘訣は「〇〇のせい」にしないこと|運がいいか、悪いかは自分で決める!
転職時の面接で必ず聞かれる質問のひとつが、「なぜ今の会社を辞めたいのか」です。明らかに前職の会社側に問題があったり、やむを得ないネガティブな事情のあるケースがあるかもしれません。しかし、後ろ向きな理由は余り良い印象を抱かれないというのも事実です。
さまざまな事情によるミドル世代の転職。採用企業により自分を魅力的に見せるための「思考法」についてご紹介します。
■何かのせいで転職をするという言い方はNG
会社の業績不振、賃金の低下、過酷な労働環境、評価への不信、人間関係トラブル…こんな要因から転職を決断するという方は決して少なくありません。本当の動機であれば、あまり取り繕っても仕方が無いでしょう。しかし、そのまま「〇〇のせいで…」というニュアンスで伝えると、相手に芳しくない印象を与えてしまいます。
場合によっては、「逃げて来た」と受け止めかねられませんし、「実際に採用し、勤めてからもこういう発言をするのではないか」という不信感を持たれます。
こういう考え方、物事の捉え方をする人は総じて「他責的」であるとみられます。何かが起きた時、自分以外のせいにする人間だと思われれば、採用企業からも敬遠されてしまうでしょう。大事なのは、「自分に落ち度やできることはなかったか」「仮に周囲の環境が悪かったとして、何を学んだか、どう変われるかの決意表明」と言った「自責的」な思考法とそこから導き出される前向きな姿勢です。
求人側の企業は「自責的」な人は当事者意識が強く、責任感がある人だとして好感を持ちます。ひるがえって、他責的な人の物言いは、単なる自己正当化や責任転嫁だと受け止められかねないのです。
■そう思えば、そうなる、「As ifの法則」
イギリスの心理学者、リチャード・ワイズマンは2万人以上を対象にした実証実験を行い、「あたかもそうであるかのように振舞っていれば、本当にそうなる」という「As ifの法則」を証明しました。
「他責的」な思考から抜け出せない人の多くは、自身を不運や不幸であると思い込んでいる節があり、As ifの法則に則って考えれば、「不幸だと思うから不幸になる」と言えるでしょう。
パナソニック株式会社の創始者である松下幸之助氏の逸話の一つに、面接時に「あなたは運がいいですか」と問いかけ、「自分は不運だ」と答えた人は、どれだけ優秀でも決して採用しなかったというエピソードがあります。
自分を不幸だと思い込む人は、それを周りのせいにして変わらない傾向が強く、自分を幸福だと思える人は、予想外のトラブルや困難に直面しても、物の味方を柔軟に切り替えたり、めげずにチャレンジをして事態をより良い方向へと導くパワーがあると考えられているようです。
自身が直面した困難を自分以外の他人や環境のせいにするクセは、あらゆる成長の妨げとなり、またその困難を克服することを難しくしてしまいます。「病は気から」という古くからの諺があります。まずは「自分はラッキーである」という前提から思考を始めてみませんか?転職の際に企業に期待され、評価される人になる第一歩なのかもしれません。