職場でメンタルタフネスを保つための3つの要素
職場で厳しい環境にさらされたり、困難に直面した経験は多かれ少なかれ誰にでもあることでしょう。そんな状況に直面しても動じない人とは、周囲から「メンタルが強そうだ」と思われます。組織の中で「心の健康を保つのが上手な人」達の共通点はどのようなものなのでしょうか。今回はその鍵となる3つの感覚について紹介していきます。
わかる、と感じる「把握可能感」
把握可能感は、「日常の中、仕事において発生する出来事は全て『予想の範疇」であり、仮に想定外の事態が発生しても自分はそれを把握できる』という感覚です。そもそも不安というのは、「未知」に対して強く抱く感情であるため、「予測可能」「把握できている」といった確信的な感覚は精神的な安定を本人へともたらします。
なんとかなる、と感じる「処理可能感」
課題やトラブル、困難に直面したとしても、時には周囲を巻き込んで何とか乗り切れるという感覚です。ストレスの原因となる出来事に直面しても、「なんとかなる」「なんとかやっていける」と思うということ。
ではなぜ「なんとかなる」と考えられるのでしょうか?それには、「汎抵抗資源」が豊富なことが大切です。汎抵抗資源は、トラブルを解決する際に必要となる資源。つまり人脈、金銭、地位や権力、知力なども含めた全てを指すものです。分かりやすく表現するならば、困難を乗り越えるための「仲間と武器」といったところでしょうか。
意味がある、と感じる「有意味感」
自分の身の回りで起きることにはどんなことでも意味があるという感覚です。一言で言えば「やりがい」。自分が直面する問題の解決に向けて努力することや、苦労することに対して、やりがいや生きる意味を感じられるか、眼の前のトラブルを挑戦として見なせるかといったものです。
互いに支えあう3つの感覚
これら3つの感覚はバラバラではなく、全てが繋がった一つの感覚と言えます。把握ができるから、処理ができる。処理ができるからこそ楽しむ余裕が生まれ、やりがいを感じられるといったようにそれぞれが関係しているのです。
生まれ付いての能力の高さに依存するのではないかと思われるかもしれませんが、そうではありません。この能力は後天的に高めることが可能です。把握可能感については、自分が関わることがらを積極的に知ることで獲得できます。
予測するというと超能力のようですが、対象のことがらについて詳しく知っていればある程度成り行きが読めるでしょう。
処理可能感は、普段から汎抵抗資源を蓄えることによって鍛えることができます。自身の能力の向上に加え、人間関係の把握、活用できるさまざまな情報集めをしっかりとすることで、身に着けることができる感覚です。
有意味感はいわば「ものごとの捉え方」。主観の問題であり、最もコントロールがしやすい感覚なのではないでしょうか。身の回りのすべてに「やりがい」を見出すことができれば、他の2つの感覚もより磨かれることでしょう。ぜひ3つの感覚を身に着け、心身共に充実したワークライフを送ってください。