「キャリアアップしたい」はイタい?幹部人材として求められる人物像
ハイキャリア層に属する管理職・経営幹部といった立場の方々の転職は、採用する側、転職をする側双方に重い意味を持ちます。特に転職者には、今まで積み重ねてきたモノが崩れてしまいかねないリスクがあるといえるかもしれません。そのためか謙虚に、身構えて転職に望む人も多いのではないでしょうか?
しかし、場合によってはその謙虚な物腰が採用側からは「ちょっと困った態度」に受け取られることがあります。それが幹部人材募集と中堅以下の人材募集との違い。「御社で○○が学べる」「キャリアアップがしたい」という台詞を動機としてあげると「イタい人」認定されてもおかしくないのです。
これらの転職動機は、若手から中堅クラス程度の人材募集であれば、場合によってはベストアンサー。ですが、マネジメントクラスからはこの台詞は通用しなくなってしまいます。
今回は、マネジメントクラスの人材に求められる転職動機、示すべき姿勢や中堅人材との違いに付いてご紹介していきます。
若手・中堅と幹部人材との採用動機の違い
当然ですが、若手や中堅と幹部人材では求められている資質が全くと言っていい程異なります。若手から中堅クラスが組織内で求められるのは「与えられた役割を最もレベル高く、忠実に実行すること」。対して幹部人材に期待されているのは「この人に任せることにより、今まで自分たちの手では気が付かないレベルでの、より良いやり方で組織を率いて成果を上げてくれるかもしれない」という次元の話です。
幹部人材の転職活動において、「キャリアアップ」「○○が学べる」という動機が「イタい」理由がご理解いただけたでしょう。そう、それはあくまでビギナークラスに求められる回答に過ぎないからです。
幹部人材が転職に望む際に重要となる「三つの姿勢」
引く手あまたの幹部人材には、ある程度共通した資質があります。取り分けその中でも大切なのが以下の3つ。
・組織や事業への貢献のイメージが明確になっていること
・スキルや経験、専門分野などをしっかり自己認識した上でのPRができていること
・企業の理念やビジョンに深く共鳴している部分があり、その上で自分がどのように貢献したいかを述べられること
最後の一つは採用選考が進む中で徐々に明確になっていくものであり、応募当初からハッキリとしている必要はありません。ですが、企業の概要を把握して応募した時点で、ある程度のイメージを持っておくべきでしょう。先方のイメージを仮定し、選考が進む過程で検証をするような心構えでいることをおすすめします。
管理職・経営幹部の人材とは、組織を率い事業を動かして、外部に対し今までになかった価値を生み出すことのできる人々のことをいいます。このクラスの人々は、成果を出し続けることで自己成長し、自己実現を図っているのです。
「キャリアアップしたい」「○○を学びたい」という理由で転職を考えている方は、マネジメントクラスとしての転職を本当にしたいのか、組織における自分の役割は何なのかを今一度見つめ直した方がいいかもしれません。