転職の穴場の見つけ方|「需給格差」を意識して年収アップ
転職において、最も重要な要素の一つ。それは年収のアップが見込めるかどうかです。仮に動機が金銭的なものでなかったとしても、転職後の年収がどうなるのかは気になりますよね。
では実際、転職者全体の年収はどのように変化しているのでしょう。ざっくり言えば「増加が4割、減少が4割、変化なしが2割」というのが実状です。しかし、これは全ての世代での平均値。年代別に見てみると、より若い世代の方が年収がアップしやすく、上の世代になるほど年収がダウンしてしまう割合が増えていくようです。
転職は、そう何度も体験することではありません。今回は、年収アップのために有効な「受給格差」を意識した転職先選びについて紹介したいと思います。
年齢による需要の違い
30代の時には転職時に内定を幾つも貰えたのに、40歳を過ぎてからなかなか書類選考を通過できなくなってしまった、というケースは多々見られます。30歳と比較すると、一般的に40歳では求人の件数が約半数にまで落ち込むのです。年齢別の需要は年代が上がるほど減少し、選考の競争も厳しくなっていきます。
35歳を過ぎてからの転職で大切になるのは「自分を雇うことによって、どのような利益が企業にもたらされるか」というアピールです。自分の実績や経歴、スキルなどをより強くPRし”高性能の即戦力”として自らを売り込んでいく必要性が出てきます。
職種による需要の違い
求職者側から人気の仕事は、応募に対する需要の絶対数が少なくなりがちです。競争倍率の高騰にも繋がり、人気の職種では一件の募集に対して100を超える応募が殺到する……などということもままあります。
営業だとルートセールスや代理店渉外、ITなら社内SE、事務ならマーケティング、広報・宣伝、商品・経営企画などがこの人気職種に該当し、これらの募集は高倍率で応募者がひしめく大激戦区ということも。
人気職種かつ、上場企業のみに的を絞ると、自分の考えている期間の中で望んだ求人に巡り会うのは難しくなります。人気職種を狙うなら、早めの段階で第二、第三希望を定めておくことも重要だと言えるでしょう。自分の希望する職種に転職したいなら、下準備としてその職業がどれぐらい人気があるのか、募集が集中するのかを把握しておくのが先決です。
地域による需要の違い
東京都で言うなら、港区・中央区より江戸川区や大田区、県単位で見るなら都内より千葉や埼玉、神奈川、エリアで考えるなら首都圏より中部や関西の方面の方が、人手不足感があります。
人手不足ということは、それだけ需要があるということ。特定の地域での転職が難しい場合でも、少し地域を広げるだけで自分の相対価値が変化する可能性があります。例えば、東京都在住だとしても「実家のある地方も視野に入れよう」と地域を広げて考えれば、思わぬ良い求人に巡り会える可能性も出てきます。そのため、条件を設定する際には、職種や自分の年齢に加えて、地域の需要の違いに関してもしっかりと勘案してみましょう。
需要と供給の差からは、単なる年収アップだけでなく、今まで気づかなかった選択肢の発見につながります。自分の可能性を最大限に活かすためにも、転職市場の需要格差にフォーカスし、自分をより高く売り込んでみてください。