人脈を活用して転職活動?「リファラル採用」のメリットとデメリット
近年増えつつある「リファラル採用」。従来の時間やコストが多くかかる採用方法とは異なり、在籍する社員が有望な人材を紹介するこの制度はアメリカなどでは多く用いられています。
海外ではリファラル採用の推薦を行った社員には報酬があるのが一般的。金額は数十万から数百万にのぼるとされていて、社員たちがリファラル採用での推薦を行う主な動機となっています。
日本の企業も人手不足の状況を受け、社員の人脈を活用するリファラル採用を導入するケースが徐々に増えつつあります。今回は「リファラル採用」のメリットとデメリットについて紹介します。
リファラル採用とは
リファラル採用のリファラルとは「紹介」を意味しています。知人・友人の紹介をきっかけに企業の採用選考を受けるという制度で、推薦入社に近いかたちといえます。気をつけたいのはコネ入社や縁故入社との違いです。リファラル採用はあくまで紹介という入り口によって行われるものであり、推薦を受けても選考や試験をパスしなければいけません。場合によっては採用されないこともあるので、先に現職を辞めてしまうのは危険です。慎重に対応しましょう。
リファラル採用のメリット
企業にとっては、社員が社風に合いそうな人物を連れてきてくれることで低いコスト、かつ人物面に不安のない採用が可能になるのがリファラル採用。転職を考える求職者にとっても、自分の強みを理解してくれている人からの紹介であれば、よい転職につながるチャンスが増えます。
知人や友人に転職を検討していることを伝えておけば、その人の勤務先や取引先、家族や知り合いの求人ニーズを教えてもらえるかもしれません。特に一緒に仕事をしたことのある知人なら、より自分にフィットした情報をくれる可能性が高まります。
メリットがある反面、リファラル採用には注意したい点もあります。リファラル採用のリスク、デメリットについても把握しておきましょう。
断りづらくなる
推薦、紹介を受けると、自分の希望からそれていると気づいても断りにくくなってしまうことがあります。紹介者の顔を立てようと無理をし、結局うまくいかないとかえって迷惑をかけることになるのできちんと判断をしましょう。また、「紹介してください」とお願いしてしまうと断りづらくなるので「情報をください」というお願いの仕方がおすすめです。
転職後「話が違う」ことがある
知人・友人の紹介だということで、なぜか「安心」してしまうことがあります。紹介してくれた個人が、その企業に付いてすべてを理解しているわけではありません。働く部署が異なれば、業務や雰囲気も異なります。また、待遇や給与などの条件は紹介者の関与するところではないので、必ず書面で確認をする必要があります。
人材確保が困難な昨今、ある程度信用のおける人物が安価で迅速に採用できるリファラル採用は今後も広がっていくと考えられます。求職者、採用企業双方にとって魅力的な方法ですが、リスクがあるのもまた事実。リファラル採用でよい話に巡り合っても、即断はせずにしっかりと考えることが重要だといえます。人脈活用は転職活動のツールのひとつ。紹介サービスや求人メディアとうまく組み合わせて利用してください。