35歳の壁ってどうなった?高年収の転職者のイマ
ミドル層以上で転職を行う際に大きなネックになるのが年齢であり、特に35歳以上になると募集数自体が激減すると言われてきました。これまで「35歳の壁」説は根強く唱えられ、転職市場においても年齢が上がるほど好条件での転職が厳しくなるというの実状がありました。
しかし近年、転職後年収800万以上のハイクラス層においては35歳以上の割合が増えています。人材サービスのパーソルキャリアの調査によれば、年収800万円以上での転職に成功した人の9割が35歳以上。中高年人材の価値が高騰している背景と、人材争奪戦の中自分をどう売り込んでいけばいいかを解説します。
新卒採用を抑制したツケ
バブル崩壊や、リーマン・ショックといった大不況で、企業が新卒採用を過度に抑制した「就職氷河期」。採用の偏りによる「世代の穴」は、今になって30~40代の深刻な人材不足という形になって浮かび上がってきました。
また個人の意識も変化し「生涯一社」にこだわらず、転職を考えるマネージャークラスの人材が増えています。人材の不足と転職への拒否感の減少により、30~40代の人材を調達しようとする企業による中高年採用ラッシュが発生しているのです。
人材争奪戦の時代
総務省の4月の発表によれば、2018年の人口推計は1億2644万3000人と前年度に比べて26万人減少しています。8年連続となる減少に加え、減少率も1950年以来最も大幅に。当然、働き手の中核を担う15~64歳の生産人口の割合の低下しており、59%と過去最低の記録をマークしました。
長期的な労働人口の減少傾向と、採用の偏りによる管理職世代の不足。今や企業の規模を問わず、大小さまざまな会社が深刻な人材不足に悩んでいます。ことハイクラス、管理職・マネージャークラスの転職においては「35歳限界説」は意識しなくてもよい状況になりつつあるのです。
どのような企業が狙い所なのか
では転職を考えた際、中高年の転職者を高く評価してくれる会社とはどのような会社なのでしょう?ぜひ着目したいのは企業側にとって欲しい人材の「明確化がなされているか」、受け入れに対する「柔軟性があるか」です。
従来の給与体系のまま、「語学スキルやマネジメント力もあり、専門的な業務をこなせる人間が欲しい」…とにかくハイスペックで何でもできる人が欲しいという企業は、今後採用がかなり難しくなるでしょう。人材獲得のためには事業の展開のために必要な人材の要件を絞込み、従来の雇用の仕組みや待遇などを見直したうえで求職者の希望にも対応する、という姿勢が必要とされます。
優秀なミドル層、マネージャークラスにとっては転職市場はかなり「売り手」中心の状況になっています。年齢を理由に転職をためらう必要はありません。重要なのは2つ。これまでのキャリアを別のフィールドでどう生かせるか、という可能性の洗い出しとフィットする転職先との出会いです。
ミデアのキャリアコンサルタントはハイクラス人材紹介を得意としています。外食、小売りを中心とした多くのマネージャー、管理職の求人案件がありますので、ぜひ1度ご相談ください。
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