金融庁発!管理職改革、ダメ上司ポイント
あの「金融庁」がダメ上司像を発表?!2018年7月に公表された「金融庁の改革について」における組織改革の理念に基づき、当面の人事基本方針が示されました。そこには11項目に及ぶ「ダメな上司像」が!
内容は多岐に渡りますが、今回着目するポイントは「局長クラス・課室長クラスのコンピテンシー」です。コンピテンシーとは業務や役割において高いパフォーマンスをする人の行動特性のこと。
ダメ上司ってどんな人?
局長・課長・室長になる職員に求められる能力要件は、大まかに分けて「資質」、「行動」、「組織運営」の3つの観点から示されています。立場に相応しくないとされるダメな上司像も例として示されており、民間企業の管理職にも通ずる部分があります。
では、金融庁が求める「望ましいリーダー」とはどういった人物なのか。
提示されているダメポイントを挙げつつ、早速チェックしていきましょう。
その1 部下の提案がないと動けない。
金融庁が求めているのは、自ら政策判断や内外との交渉の最前線に立つ人間です。また、その為に必要な交渉力、人間力が能力要件とされています。
その2 部下のペーパーの添削ばかりで、付加価値を付けられない。
部下からあがってくる情報を待つだけでなく、自分から率先して情報収集を行う必要があります。部下が作成した書類を「手直し」するだけでは上司としての役割を果たしているとは言えません。
その3 「反射的」に行動し、部下を混乱させる。
要するに、動く前にもうちょっとよく考えて!ということでしょう。省庁や企業の一員ならば相応の判断力が求められます。人を率いる立場ならば尚の事、先々で起こり得ることを想定しつつ段取りを組むべきです。
その4 「権限がありません」「担当ではありません」
できない理由を探して、「消極的な」権限争いをするケースです。当事者意識を持たず、「責任を押し付け合う」ことが組織内で恒常化してしまうと、たらい回しどころか、重大な問題への対応が遅れて取り返しのつかないことになります。独断専行もダメですが、優柔不断や責任回避に終始するのはアウトです。
その5 上手くいったら自分の手柄、失敗したら人のせい
失敗は部下のしたことだが、成功は自分の手柄。酷い話ですが、実際そういう上司は少なくありません。金融庁は理想的な上司像の一つとして、困難や都合の悪い現実から目を背けず、「自分ごと」として取り組む人、としています。
その6 政策立案ばかりで、実行のプロセスを軽視する。
計画を立案することより、実際に人を動かし実行へと移す方が困難が伴うものです。粘り強く周囲を説得し、ステークホルダーを動かす実行力が求められます。
その7 見当違いな部下育て…甘やかし?パワハラ?
部下の成長を促すこと、そのための環境作りも上司の重要な仕事の一つです。部下がいきいきと活躍できる自由なムードと、結果を求める厳しさ・緊張感を併せ持つことが重要だとしています。
その8 頭ごなしに叱りつけ、相談や悪い情報を上げられない雰囲気を作る。
都合の悪い情報を聞いてすぐに怒り出す上司には、いい情報も集まらなくなってしまいます。大事なのは具体的なアドバイスをして、部下の能力を引き出すこと。感情で頭ごなしに怒るのと、教育のために叱ることの違いが解っている人間が上に立つのが望ましいでしょう。
その9 仕事を抱え込んで部下に渡せない
「自分でやった方が確実」そう思うことがあっても、指導しながら仕事を任せていかないと、いつまでたっても部下は成長できません。さじ加減はどの組織にも共通する難しい課題ですが、部下に権限を委ね、責任を持って業務に当たらせることで成長を促すことも大切です。
その10 部下の作業を増やす優先順位あいまいな仕事発注
「どうして今この仕事が必要なのか」「なぜ仕事の中身について詰められているのか」上司の意図が明確ならば、部下も仕事がやりやすくなります。作業の意図が正しく伝わっていないと、モチベーションの低下や勘違いによるミスに繋がってしまうこともあるでしょう。金融庁は「物事の優先順位をつけ、明確な指示のもと、効率的かつスピード感を持って仕事を進める」人こそ上司に相応しいとしています。
その11 「残っていてエライ」?残業時間の長さをほめる
昨今話題となっている「働き方改革」ですが、以前として長時間労働はさまざまな企業で課題となっています。上司に求められるのは、最後に帰ることを評価するのではなく、本当に必要な残業なのかを問い、長時間労働に真摯に取り組む姿勢です。
いかがでしょう?こんな事例、どこかに心当たりはありませんでしたか?
金融庁の「ダメ上司像」を見ると、「反面教師」をイメージすることによって、あるべき姿も浮かび上がってくるように思えます。11項目、皆さんも是非チェックしてみてください!