弁護士、税理士は不要?AIに取って代わられる職業の特徴とは
昨今、働き方改革の実現に向け、「AIによる業務の自動化・効率化」の研究が盛んになっています。今回は、将来的に人工知能が代替として機能し、淘汰されるであろう職業の特徴と、反対に影響を受けにくい職業に付いてご紹介していきたいと思います。
■今のAIは「特化型」
現在のAIは特化型と呼ばれており、その名の通りひとつの目的に「特化」し、対象の業務について猛烈な勢いで習熟を遂げるのが特徴です。これらの特化型AIが得意とする業務と、不得意な業務の特徴を整理してみましょう。
得意分野
・コンピュータ処理のみで完結する業務(物理的な作業が発生しない)
・一分野の知識のみで完結する業務
・ルールや特徴が定まっている処理業務
苦手分野
・多彩なタスクを必要とする業務
・物理的な業務が発生する業務
・対人折衝が発生する業務
AIの得意なこと、苦手なことを洗い出してみると、AIが代替するようになるであろう職業の像がおぼろげに浮かび上がって来ます。
■スペシャリスト業務こそ、AIに代替されやすい
一般的に厚遇され、難関で高給とされる「士業」。例に挙げるならば、弁護士や税理士などの職業は、実は「ルールの定まっている処理業務」に該当するため、AIの学習にとってはこの上なく好都合です。
「特徴を学習する」という機能を持つAIも台頭してきており、いずれ通訳も自在にこなすようになるとのことです。例えば、カフェでお客が「私はコーヒー」と注文をした場合、従来のAIであれば「I am coffee」と訳していたでしょう。しかし昨今のAIは、ネットにある大量の対訳用の資料から状況を分析、カフェでの会話であることも加味した上で「I’d like to have a coffee」と翻訳するのです。自動翻訳機は2020年には実現すると言われており、2年後には翻訳者の多くが失業してしまうかもしれません。
■単純作業は実はAIに代替されづらい
例えばコンビニ店員、単純作業などと時には揶揄される職業です。しかし、一見「単純」に見えるコンビニの店頭業務は、AIからすれば複雑で多彩なタスクが有り、物理業務、対人折衝と苦手分野の塊のような仕事なのです。
レジ打ち、接客、品出し、ゴミ出し…etc。一つ一つは単純な業務ですが、これら全てを自動化しようと思えば大量のメカトロニクスを必要とします。コンビニ業務のAI代替を行おうとすれば、大変なコストがかかるのです。結論から言えば、人を雇えばそれで解決する話。これらの作業をAIで代替するメリットはほとんどありません。そうなるのはかなり先の未来の話でしょう。
いかがだったでしょうか。意外なことに、今は厚遇されているスペシャリスト達の未来はAIにとって代わられるリスクが大きく、一方で泥臭い仕事ほど未来が明るいのです。勿論、スペシャリスト達の中にもずっと必要とされ続ける人はいます。ルールや特徴を超えた対人折衝や、AIにはできない仕事をやってのける人達です。「知識だけ」ではAIに取って代わられていくこの時代。新たな仕事への取り組み方が、求められているのかもしれません。