世間は意外に狭い!惜しまれながら辞めるヒトになるべき理由
会社を辞める時、「もうどうせこの会社とは縁が切れる」という冷めた気持ちを感じる人は少なくありません。特に辞めようと思った理由が前向きな理由ではなく、理不尽な処遇やトラブルだった場合はなおさらでしょう。
「どうせ辞めるから」という理由で仕事が雑になったり、ひどい場合はいきなり音信不通になるといったケースすらあるそうです。そこまでではないにせよ、退職時にあからさまに手を抜けば、その態度は周囲にも伝わります。
実はそれはとても「もったいない」こと。辞めるからこそ踏ん張ってきちんと仕事をするべき理由と、手を抜いてしまった場合のリスクについて考えてみましょう。
態度が発する「シグナル」
外見や態度から伝わる暗黙のメッセージを「シグナル効果」といいます。例えばスイーツのパッケージ。中身が同じでも高級そうな外見や高い価格は「付加価値」をアピールするものですよね。人は目にしたモノに対してある程度の予測や推測を立てて、その価値を無意識のうちに評価するのです。
ビジネスパーソンであれば、いつでも「自分の発しているシグナル」に気を使うべき。例えば普段から仕事が雑な人に、退職間近という背景が加わったとしたらどうでしょう?
通常は許容されていたことも「最後だからと手を抜くいい加減な人」「恩知らず、自分勝手」という風に受け取られそうですよね。シグナルは自分が意図的に発した場合でなくても、感じ取られてしまいます。
退職間近というのは、より悪いニュアンスが付いてしまいがちな時期。無用に心証を悪くしたくないのであれば、普段より一層真面目に仕事に取り組むことをおすすめします。
惜しまれながら辞めるにはどうすればいいか
では周囲に惜しまれるような人は、どのようなシグナルを出しながら辞めて行くのでしょうか?以前からの人望や実績も大切ですが、やはり「失うには惜しい」と思わせるのは、最後まで真摯に仕事に取り組み続ける「プロ意識」があるかないかです。
退職をするからこそしっかりと締めくくろう、支障が出ないように丁寧に業務引き継ぎを行おう、という姿勢で最後まで仕事に取り組む人は、周囲から「プロ意識がある」と見られます。
おざなりな退職をして縁が切れてしまう人と、椅子は空けてあるからいつでも帰ってこいと惜しまれながら辞めていく人の差を決定づけてしまうのは、この退職間際の働きぶりにかかっているといっても過言ではありません。
手抜きはNG!の理由
職場が新しく変わるなら、以前の会社の人間にどう思われようが関係ないじゃないか、そう考える人も居るかもしれません。一理あるようですが、ノーリスクだと考えるのは早計です。
「世界」の広さが広がることはありませんが、「世間」は情報化に伴ってどんどん狭くなりつつあります。同業種への転職であれば、以前の同僚と関わる可能性はおおいにありますし、そもそも転職先の候補からリファレンスチェック(以前の職場での実績等に偽りがないか確かめること)で昔の職場に連絡が行く可能性も大いに有り得るのです。
過去の履歴が思いがけず共有されてしまう現代、ネガティブな評判を受けると思いがけない影響が出ることも。後足で砂をかけるような真似をして、無用な悪評を負うのは危険なことですらあるのです。
近年、突然音信不通になる形で辞める人や、退職意思を本人の代わりに伝える代行サービスを用いて辞める人が増加する傾向にあるそうです。いずれのケースにせよ「組織の一員としての責任を投げ捨てて、自身の利益を優先します」というシグナルを相手に発することになってしまいます。
退職間近だからと「いい加減な人」と見られてしまうのは大変「もったいない」と言えます。その後の仕事や人間関係に支障をきたさないためにも、転職の意思が固まってからはラストスパート!きちんと仕事をするようにしましょう。